化学の専門性を活かしたものづくり
SECTION 01
半世紀以上の歴史と
スピーディーな開発体制
YKK台湾社は、設立から約60年という歴史を持つ拠点です。特徴は、ファスナー部品を生産し他の海外拠点へ供給する「供給ハブ」としての役割と、台湾のお客様及びグローバルバイヤーへ販売を行う「営業拠点」としての役割を併せ持っていることです。さらに、海外拠点の中では珍しく、R&D(研究開発)部門を備えています。台湾には世界的なスポーツアパレルブランドのデザイン部隊があり、その近くで迅速に開発・サンプル提供を行う必要があるためです。お客様の「こんなデザインが欲しい」という声を形にして提案できるスピード感が台湾社の最大の強みと言えます。
SECTION 02
専門知識・スキルを活かすことで
得られるやりがい
私の主な任務は、スライダーの着色工程における技術対応およびマネジメント業務です。生産計画に基づく納期管理をはじめ、製品の色調や仕上がり品質の確認、安全管理などを担っています。また、工場の設備更新時期には現地社員と連携して新規設備の導入や既存工程の自動化・改善も推進しています。仕事のやりがいを感じるのは、大学で学んだ「応用化学」の知識を発揮できる瞬間です。スライダーの「めっき」は複雑な化学処理を伴うため、薬品メーカーと専門的な対話を行うのですが、お客様の要望する色出しを実現していくプロセスは技術者として魅力的です。試行錯誤の末に安定生産と効率改善を達成できたときには、大きな手応えと達成感を感じることができます。
SECTION 03
「技術一辺倒」では通用しない
マネジメントを経験
海外で仕事をする上で最初に直面した壁は、言語や文化の違いによるコミュニケーションでした。業務上の指示を出す際、細かなニュアンスや背景にある意図まで正確に伝えるためには相応の工夫が求められます。痛感したのは、日本では言わなくても分かるような事柄でも、海外では「1から10まで」具体的に指示を出さないと認識のずれが生じてしまう点。そのため現在は、作業後に必ず自分の目で現場を確認するプロセスを徹底しています。また、海外拠点では一人あたりの業務範囲が広く、予期せぬトラブルにも柔軟に対応しなければなりません。「技術一辺倒」では通用しないマネジメントを経験することでリーダーとしての視点が養われているとも言えますね。
SECTION 04
小さな部品に込められた思いが
新しい価値を
日本で働いていた頃は、YKKが「世界企業」であることを実感する機会はそれほど多くありませんでした。しかし台湾で働いてみると、世界各地の顧客や他の海外工場と日常的にやりとりが発生し、自分たちの仕事がグローバルなサプライチェーンの一端を担っていることを強く実感します。ファスナーは小さな部品ですが、そこに込められた「品質への信頼」と「現地の文化への理解」が組み合わさることで、国や市場を越えた新しい価値を生み出すことができます。この「Little Parts. Big Difference.」の精神を世界中の現場で具現化し、持続可能な社会の発展に貢献し続けられるところに、YKKの可能性があると確信しています。
SECTION 05
競争力の高い工場を
この手でつくりたい
今後は、生産現場の「自動化推進」を中核に据え、世界中のどの現場でも高い生産性と品質を両立できる体制づくりに挑戦していきたいと考えています。特に新規設備の導入においては、構想段階から関係部門との調整、立ち上げ、量産移行までを一貫してリードし、現場のニーズに即した最適な仕組みを構築することが私の目標です。さらにAIをはじめとする最新技術の活用にも積極的に取り組んでいきたいですね。例えば、不良品を瞬時に見分ける画像検査システムや最適な着色配合を導き出す分析ツールなど、デジタル技術を駆使した革新的な改善を継続的に推進することで中長期的な視点に立った競争力の高い工場をつくりあげたいと思っています。